よのなかフォーラム
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タイトル 質問に答えます その4
投稿日: 2017/02/23(Thu) 11:40
投稿者カズ

31 大きな3歩目を踏み出すために20代、30代でしておくとよいことは何ですか?

 子供も同じなのですが、「セルフ・エスティーム(自己肯定感)」を高めておくことでしょうか。自分はOKだ、自分の未来は明るい、この道で良いし、先が開けている、という感覚のことです。日本の子は経済的には世界でもトップレベルに達しているのに、これが国際比較でも低いんですね。3歩目を踏み出すときには、あらゆる分析は無意味です。成熟社会の5年後の見通しなんて誰にもわからないからです。踏み出す勇気、というよりは健全な無謀さを発揮するには、それまで様々なやんちゃや試行錯誤の中で、「それでも、やれた」という積み重ねによる自信が必要でしょう。失敗や挫折、恥を書く体験をいっぱいしながらも、51%「これでいい!」という納得感です。

32 今自分がどのステップにいるのか、どのような基準で判断したら良いですか?

 ビジネスパーソンとしてやるのなら、一度ヘッドハンターに相談して、今までのキャリアを整理してもらい、自分のマーケットバリューを確認してみたらいかがでしょうか? リクルートにおける給料ではなく、市場ではその技術を持った人材はいくらで売れるのかという他者からの視点です。この際、履歴書を会社名や肩書きの連続で書かないで、自分がやってきた仕事とそこで得られた能力や技術で記述していきます。前者を「位置エネルギー型」、後者を「運動エネルギー型」の履歴書と呼びますが、「運動エネルギー型の履歴書」を書いて、自分のキャリアを棚卸ししてみると見えてくるものがありますよ。

33 今の日本は、鎖国状態というワードがあったかと思いますが、そのように感じられるのは、どういったところからでしょうか?

 講演の中で「鎖国」と言ったのは、バイトの人材の登用についてでしたね。移民を本格的には受け入れてないから、800円の相場が下がらないという意味です。経済学の常識ですが、マーケットが繋がっている場合には(鎖国していなければ)、単純で取り替え可能なマニュアルワークはコモディティですから、世界で一番安い価格にそろっていきます。

34 藤原さんは「いつ(何歳)」、この三角形のクレジット理論を見出したのですか。 そして、どのタイミングで戦略性も持って、道を選ばれたのですか。

 これは良い質問ですね。もちろん、後付けの理屈です(笑)。著書の中では、『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』(2013年)に初めて登場します。和田中の校長を辞めてから5年経って、自分のキャリアを見直した結果です。また、2011年にベストセラーとなった『坂の上の坂』を発表しますが、人生観全体を2011年から2013年に見直していた時期ですね。で、この三角形理論をホリエモンの講座で喋ったら、ホリエモンが感心して「面白い!」と言ってくれたので、じゃあ、改めてこの考え方を主軸に整理したのが『藤原先生、これからの働き方についいて教えて下さい。』(2015年)なんです。もっとも、三歩目の踏み出しについてはリクルートのフェロー在職中に3つ以上の分野を思考錯誤しつつ、私の関係者がもっともサプライズしてくれる道を(これは意識的に喜ばせようと思って)選びました。だから、三角形のクレジット理論をもはや知っちゃった皆さんは、私自身よりはるかに戦略的にやれるはずなんです。

35 講演を受ける受けないの軸は何ですか?

 10年間で1230回の講演/研修講師をやってきましたが、できるだけ断らないようにしています。ただし、今は現職の高校の校長で奈良在住ですから、難しいケースもあります。学校の保護者の集いなどは例外として、私的な勉強会にボランティアでお邪魔することはあまりしていません。私はプロの講師なので、500人の参加者から1回1000円とか、100人の参加者から5000円払っても元が取れたと喜んでもらえる価値を提供しているつもりです。それができなくなったらプロを降りて、すべてボランティアで無償奉仕するでしょう。

36 歩幅をひろげ踏み出すとき、何を大切にしていますか?

 遊び心と戦略性ですね。これ、「情報編集力」のある人の特性でもあります。

37 3歩目の領域を選ぶときになにをとっかかりにすればいいですか?

 前の質問にもありましたが、3つくらいの関心領域を絞って、試行錯誤してみます。私の場合には、成熟社会にまともに機能する「教育」か「介護を中心とする医療」か「住宅問題」でした。関心がないものには向かっていかないでしょうから。

38 足場を作る際、特に二歩目はどのような軸で選択をするのがよいでしょうか?

 これは、近い対象でもいいです。経理だったら財務とか。販売だったら、販売促進とか。出版だったら広告とか。バスケットのビボットの要領で、幾つか踏み替えながら試してみる手もあるでしょう。リクルートのような会社では、自己申告制度やキャリアWebでのエントリーもあるようなので、少なくとも第二歩目までは、自社内で自分のキャリアをプロモーションする機会が得られるはずです。

39 初めて校長に着任した時のミッション、ビジョンは?まず最初に何を変えましたか?

 閉じた学校を開くこと。そのために「閉じた存在」として一番の象徴(シンボル)であった「校長室」を開きました。校長室って扉がいつも閉じていて、いい子はみんな行ったことないでしょ。校長室に呼ばれるということは、やんちゃやって叱られる時だけ。ドアを開けると、衝立の向こうでお母さんが泣いているとか(苦笑)。それを、始業式で「今日から校長室を解放します。遊びに来てください」とやりました。まず、3年生が斥候に来ます。やはり、女子です。一条高校では2年生の作家志望の男子でした。中学の場合は、餌がないとこないでしょうから、漫画を300冊ほど置いておき、時に壊れたパソコンの本体を思いっきりドライバーを使って壊させることもしました。玉手箱のようにして、次は何が起こるか、誰が来ているか、どんなものがあるかと刺激したのです。いわば第二の保健室を作って、成績や学力では評価されない居場所が職員室の隣にあるようにしたわけです。和田中では図書館も第三の保健室の役割を果たしていました。土曜寺子屋もです。その結果、新入生が入ると昼休みに20人くらいが校長室で漫画を立ち読みしているという珍しい光景も(爆笑)。

40 最初の軸の定め方についてアドバイスをお願いします。

 1万時間(5年から10年)続けられることですね。どこかに転がっていて、見つけるものだとは思わないほうがいいです。今取り組んでいる仕事はどうなのでしょうか? 自分から主体的に取り組めるなら「仕事」になります。命じられたことを処理してるだけなら、それは「作業」にすぎません。「仕事」にできているなら、続けましょう。ただし、上司がヘボだったら、これが唯一最大のリスクになりますから気をつけてください(微笑)。


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